レトロな感じが懐かしい「終わらない夕暮れに消えた君」
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今回は、アドベンチャーゲームアプリ「終わらない夕暮れに消えた君」をご紹介します。こちらは、人気アドベンチャーゲームアプリ「彼女は最後にそう言った」と同じ方が開発したものです。「彼女は最後にそう言った」は、懐かしいドット絵で描かれる『泣けるゲーム』として、今でも高い評価を誇っています。同じクリエイターの方の作品となると、否が応でも期待は高まりますね。
今回の「終わらない夕暮れに消えた君」も、やはりドット絵で描かれたテキストタイプのアドベンチャーゲームです。
今回は、絶海の孤島にまつわる複雑に絡み合った真実を見つけ出す物語。最近の美麗イラストや豪華声優などを売りにしたゲームではありませんが、ストーリーが緻密に作られていて、非常に先が気になります。逆に、シンプルなドット絵で派手なエフェクトなどもないことで、純粋にストーリーを楽しめるようになっています。今回は、その最初の部分だけをご紹介していきましょう。
ストーリー
(筆者撮影)
主人公は、日本本土から遠く離れた孤島に住まう主人公のシュウヤ。彼の住む「夕凪島」には、守られ続けてきている大事な掟があります。
一年に一度、11月28日に開かれる「まがとき祭」の日。この島が、年に一度だけ「終わらない夕暮れ」を迎える日。この日にだけはかくれんぼをしてはいけない。
これは、主人公たちに起きたある『事件』によって定められた掟でした。
10年前、幼かった頃のシュウヤと、その友達のイヅル、トラヒコ、ギンタ、リノ、チカゲ、サツキたちは、とある理由で、かくれんぼをすることになります。
シュウヤは鬼をやり、次々と友達を見つけていきます…しかし…
イヅルだけは、見つけることができませんでした。島の者たちが総出でどんなに探しても、生きている彼はおろか、遺体も、持ち物も見つからなかったのです。絶海の孤島で船に乗る彼の姿を見た者もいません。島を害する者を連れて行ってしまうという、この島の神様「夕凪さま」に連れて行かれてしまったのでしょうか…?
イヅルが忽然と姿を消してしまってから10年。あのかくれんぼの日に学校に埋めたタイムカプセルを掘り出すため集まった、イヅルを除くメンバー。しかし、どんなに掘ってもそこには埋めたはずのタイムカプセルはなく、代わりに救急箱のような木箱。開けてみると中には、
「10年前のつづきをしよう」
との文字。
10年前。未だ行方のわからないイヅル。終わらなかったかくれんぼ。
シュウヤは、目を背け続けてきた過去と向き合うことを決め、イヅルを探す決意をします。10年前を、やり直すために。
システム
(筆者撮影)
基本的には登場人物である島民に話しかけ、情報を集めて進んで行く、テキストタイプのアドベンチャーゲームです。さまざまな情報が複雑に絡み合いますが、シュウヤが知った情報は画面下の「キオク」にリストされていくので、見返したいときにいつでも見ることができます。また、ここでは「ヒント」も見ることができるので、何をしていいか分からなくなったら開いてみましょう。
また、このゲームでの移動は、マップ上で目的地をタップすると、タップした場所へ瞬時に移動してくれるシステムになっています。これがサクサクプレイの一助となり、どんどんゲームを進めていくことができます。
実績
(筆者撮影)
島の中のあちこちでは、サブクエストが発生しています。彼らの頼みを聞いて、「実績」をクリアしていくという、ちょっとしたやりこみ要素になっています。過去に達成した実績は実績は新規にゲームをやり直しても引き継がれるので、まずは気になるストーリーを全部読んでクリアし、2周目からクエストを交えて楽しむというのもいいでしょう。
切なくも未来を夢見させてくれる物語
(筆者撮影)
最後では思いがけない秘密が明かされ、シュウヤとイヅルの間の友情や『男の約束』について考えるほど切なく、胸がじーんとします。『泣ける』という評価は間違いありません。最近『涙活』という言葉が出てきたように、涙を流すことは心の自浄作用として大変すぐれているそうです。最近泣いてないな、っていう方、切ない話が好き、という方には、ぜひプレイしていただきたいです。