無劣化動画結合にチャレンジ! 3種のアプリを徹底比較

無劣化動画結合にチャレンジ! 3種のアプリを徹底比較

ドットアップス編集部
最終更新日 2020/3/25 13:23
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    目次

  1. 無劣化とはどういうことか
  2. 動画の画面解像度について
  3. 動画の結合機能を持ったアプリで無劣化結合を行うには
  4. Adobe Premiere Clip -Premiere Pro CCと連携できる動画編集アプリ
  5. InShot -Instagramに適した動画編集アプリ
  6. VideoShow –多機能ビデオ編集アプリ
  7. 見た目はまったく変わらない! 動画編集アプリで簡単にできる動画の無劣化結合

(画像:著者撮影)

以前は動画といえば専用のビデオカメラで撮り、パソコンで楽しむことが多かったものですが、最近はスマホの性能が高くなり、撮影から鑑賞までをスマホだけで楽しむ人が増えてきました。
すると、スマホで簡単に動画を撮れるようになった分、動画がどんどんたまっていくことになります。
そして動画がたまってくると、それぞれを結合してひとつの動画としてまとめたい、と思うようになるものです。
さらに、せっかくまとめるなら元の動画と同じ画質、つまり同じ解像度のまま無劣化で、と思うようになります。
そこで今回は、動画を無劣化で結合するアプリを紹介しますが、そのまえに「無劣化」と「解像度」について少し考えてみましょう。

無劣化とはどういうことか

アナログ時代、テープレコーダーで録音した音楽やビデオデッキで録画した動画を繰り返しコピーすると、音質や画質が悪くなる(劣化する)ことを経験した人は多いでしょう。
しかしデジタル時代になって、これはほとんどなくなりました。
音楽や動画のファイルを、データとして“まるごと”単純コピーするかぎり、コピー物=オリジナルであって、つまり劣化は起こらないわけです。
しかし、仮に動画をコピーする際に、なにか処理を加えながらコピーした場合はどうでしょうか。
動画にトリミングなどの編集をし、複数の動画を結合するということは、その処理の過程で必ず「再エンコード」という処理が加わります。
何か変化が加わるわけなので、もし「無劣化=オリジナルとまったく同じ」と解釈すると、「無劣化で動画の編集や結合はできない」ということになります。
しかし、だからといってそれであきらめてしまうことはありません!
スマホの画面で見る際に、画質の変化がまったく感じられなければ、それは「無劣化」と言ってもよいのではないでしょうか。

動画の画面解像度について

動画の画面はたくさんの小さな点が集まって表現されています。
この小さな点をピクセルといいますが、数が多いほど細かい部分まで描写でき、きれいな画質、高画質・高解像度の動画ということです。
実際の動画の中には、1920×1080P、1280×720P、854×480P 等の画面解像度のものがあり、画面全体のピクセル数は1080pでは1920×1080=2,073,600、720pでは1280×720=921,600です。
1080Pの動画は720Pの動画より2倍以上の高画質ということになるわけですが、実際のスマホの画面ではほとんど違いがわかりません。
なぜでしょうか。
それにはふたつの理由があります。

人間の眼(網膜)の解像度の限界

解像度を表す単位にはもうひとつ「ppi 画素密度」というのがあり、これは1インチ当たりのピクセル数ということで、1インチの直線を何個の点で描写できるかという意味です。
数字が大きいほど明瞭で繊細な直線が描けることになりますが、人間の眼の網膜が認識できる限界は約300ppi(個人差あり)とされています。
つまりこれより大きい画素密度は、人間の眼では区別できないことになります。

ディスプレイ性能が肉眼の認識限界を超えている

たとえばiPhone7のカタログには、そのディスプレイ性能として「4.7インチRetina HDディスプレイ 1334×750ピクセル解像度 326ppi」と書かれています。
Retinaは「網膜」という意味です。
いっぽうAndroidのたとえばXperia XZは、5.2インチディスプレイで1920×1080とあるので、計算すると約423ppiです。
どちらも人間の網膜の認識限界を超えていて、違いがわからないことになります。

以上のことからスマホで動画を見るかぎり、最低1280×720Pの動画解像度を得ることができれば300ppi前後になるので、ほとんど劣化を感じない「無劣化の動画」として、動画の編集・結合を考えてよいことになります。
のちにより大きなディスプレイで見ることも考慮して、1080Pで編集・結合・保存を行うとよりよいでしょう。

動画の結合機能を持ったアプリで無劣化結合を行うには

それではこれらを満たすための方法(コツ)と実行可能な機能を持ったアプリを選んでみましょう。

アプリを使って無劣化結合動画を作る際のポイント

  • 撮影の際の解像度を統一しておくこと

最近のほとんどのスマホは1920×1080P(フルHD)での撮影が可能なので、カメラの撮影機能をこの規格に統一しておくとよいでしょう。
つまり、動画は毎回1080Pで撮る、ということです。
オリジナル動画を高画質で残せることと、多少編集してもほとんど画質が落ちないので便利です。

  • 編集アプリは、簡単に動画結合ができ、最低720Pで保存可能なアプリを選ぶこと

結合しては一時保存、また結合しては再保存を繰り返すと、いかにデジタルといえども画質が劣化することがあります。
一回の結合操作で完成できる機能を持っていることが大切です。

  • 結合する動画はすべて“同じ解像度”の動画にすること

高解像度の動画の中に中・低解像度の動画が混じると、保存する際に高解像度保存を選べないアプリがあるので気をつけましょう。
そういった場合、ほとんどのケースで“含まれている最も低い解像度”で保存する他なくなります。

  • 結合動画を保存する際は、元動画と同じ解像度で保存すること

編集を一切せずにただ動画を“結合するだけ”なら、ほとんど無劣化で保存できるといえます。
また多少編集しても、元動画と同じ解像度で保存すれば劣化をかなり避けることができます。
仮により高い解像度で保存できるオプションがあったとしても、元動画と同じ解像度にするべきです。
低い解像度の動画を高い解像度で保存しても画質はよくなりません、むしろ悪くなることの方が多いです。

それでは、以上を基に厳選したアプリを三つ紹介します。

Adobe Premiere Clip -Premiere Pro CCと連携できる動画編集アプリ

(画像:著者撮影)

Adobe社が提供する動画編集アプリのモバイル版です。
Adobe IDを持っている人はそのIDでサインインできますが、Premiere Pro CC(デスクトップ用高機能編集ソフト)との連携が可能なので、持っていない人はぜひ登録をお勧めします。
動画の編集・結合は「マイプロジェクト」から行いますが、端末のギャラリーに保存された動画を同時に複数、選ぶことができます。
結合したい動画を選んだら、一切の編集作業を行わず、そのまま保存します。
したがって“必ず”「カスタム編集」を選んで操作しましょう。
保存は画面右上のシェアボタンをタップし、「ギャラリーに保存」を選ぶと端末内に保存されます。
これだけですべての動画クリップが一本の動画に結合されます。
Adobe Premiere Clipは、720P、1080Pの高解像度が選べますが、保存にはオリジナルと同じ解像度を選ぶことが、画質を落とさずに動画を結合するコツです。

(画像:著者撮影)

上:1080Pの元動画をAdobe Premiere Clip で結合し、1080Pで保存した場合
下:1080Pの元動画をAdobe Premiere Clip で結合し、720Pで保存した場合
まったく同じ位置でスチルを撮るのが難しいことと、元動画に“手ブレ”があるのでわかりにくいですが、スマホの画面で見るかぎり、画質の違いはほとんどわかりません。
操作も簡単でわかりやすく、将来的にPremiere Pro CCに移行してさらに細かい編集を加えられるので、たいへんお勧めできるアプリです。

Adobe Premiere Clip 公式サイト

 

InShot -Instagramに適した動画編集アプリ

(画像:著者撮影)

シンプルでわかりやすく、動画編集アプリとしての評価も非常に高いアプリです。
このアプリも一度に複数の動画を読み込んで、一切の編集操作を行わずにそのまま保存すれば、一本の動画として結合できます。
ただし、Instagramに適した仕様になっているため、そのまま動画を保存すると正方形の形になってしまいます。
元動画のアスペクト比のまま保存するために、編集機能中の「クロップ」で、元動画のアスペクト比を選んでおきましょう。
こうすると正方形の枠の中に元動画がすっぽり収まる形で保存できますから、動画の両端が切れてしまうようなことがありません。
保存には720P、1080Pの高解像度が選べますが、元動画と同じ解像度を選ぶことがコツです。
正方形の枠の中で表示されるという、元動画と全く同じ形にはなりませんが、ほとんど無劣化と言えるほど違いがわかりません。
動画画面の形にこだわらないなら、とてもお勧めできるアプリです。

(画像:著者撮影)

上:1080Pの元動画をInShot で結合し、1080Pで保存した場合
下:1080Pの元動画をInShot で結合し、720Pで保存した場合
スマホの画面で見るかぎり、やはり両者の違いはほとんど区別できません。

 

VideoShow –多機能ビデオ編集アプリ

(画像:著者撮影)

このアプリだけで動画編集のほぼすべてが行えるほど、多機能で評価の高い動画編集アプリです。
端末に保存された動画を複数選び、一切の編集を行わずにそのまま保存すれば、一本の動画に結合できます。
このアプリは動画をひとつだけ選んだ場合は、なんらかの編集を加えないとそのまま保存することはできない仕様になっています。
しかし複数を選べば、ただ選んで保存するだけですべてがマージされた一本の動画になるという、非常に簡単に動画を結合できるアプリです。
無料版では保存可能な最大解像度は720Pですが、有料版では1080Pが選べますから、ほぼ無劣化で動画を結合できるアプリとして十分な能力があります。
無料版でも保存できる動画時間には制限がないので、長時間動画をため込んでいる人にはぜひお勧めします。

(画像:著者撮影)

上:元動画をパソコンで720Pに変換した動画をスマホに読み込んで再生したもの
下:同一の720P動画をVideoShowで結合して再生したもの
無料版では720Pしか選べないので、このような方法にしました。
色の濃淡に少しの違いを感じますが、再生プレイヤーの調節で補正できます。
精細度についてはほとんど違いを感じません。
720Pという解像度でも十分であることがわかります。

 

見た目はまったく変わらない! 動画編集アプリで簡単にできる動画の無劣化結合

今回、スマホアプリのみを使って動画の無劣化結合が行えるものを紹介しましたが、意外と簡単に結合でき、かつスマホで見るかぎりはほとんど劣化を感じないレベルで結合できることに驚いた人も多いのではないでしょうか。
「編集を一切加えない」ことがポイントですが、アプリの中にはトランジション機能をデフォルトで持っているものがあるので、厳密な意味では無編集・無劣化とは言えません。
しかしスマホの画面で見るかぎり、今回の比較ではどのアプリでもほとんど劣化を感じないことがわかります。
編集アプリで動画を無劣化結合し、それをオリジナルの「永久保存版動画」としてみるのはいかがでしょうか。

※紹介している無料アプリは一部無料を含みます。

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