脱出ゲーム「美容院」

ショートシナリオがついた脱出ゲームです。謎を解いて奇妙な噂の美容院から脱出しましょう。


私はタクシーに揺られながら胸の高鳴りを抑えきれなかった。今日は待ちに待った美容院の日。しかし普通の人にとって美容院くらい数ヶ月に一回くらいは行くし、わざわざタクシーを使ってワクワクするほどのことでもないだろう。しかし今回は勝手が違うのだ。
タクシーは大通りを抜け細い路地に入って行った。
私はある会社に勤めているのだがどうも様子がおかしい。というのも数ヶ月前から私の同期や周りの人間が人が変わったように仕事に積極的になったのだ。そして最近は皆次々に「結婚」という言葉を口にする。確かに私はもうすぐ３０歳。私の周りでそのようなイベントが起きるのは当たり前かもしれない。しかしあまりにも急すぎる。なので彼らに聞き込み調査を行った結果ある共通点が判明したのだ。それはある美容院で髪を切ってもらっているということらしい。私はすぐにその美容院に連絡した。しかし予約はいっぱい。数ヶ月待ってやっと予約を取り付けたのだ。「これで私も仲間入りだ。」
思わず笑みがこぼれる。タクシーは少しづつ速度を落としている。もうすぐだ。
「お客さん。つきましたよ。」
料金を払い、外に出ると住宅街の中にこじんまりとした美容院があった。とても予約でいっぱいとは思えないが。恐る恐る自動ドアの中へ。。。。。