本格的なDTMのためのiOSアプリ特選
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iOSの機能強化によって、DTM分野ではPCに匹敵するようなアプリが増えてきました。DTMの分野では、OSの関係上、圧倒的にiOSが有利なので、ここではiOSのDTMアプリを基本に整理します。また、DTMは画面が広い方が作業しやすいので、iPhone、iPadに両対応したユニバーサルアプリを選びました。
最初にDTMの中核であるDAWアプリをピックアップします。この分野では、2つの有力アプリを中心に紹介します。
DAW(Digital Audio Workstation)の2枚看板
Garageband(無料)
Garage BandはMacの DAWとして有名です。2017年からはMac、iOSともGaragebandが無料化されました。Garagebandの特徴は、バーチャル楽器が豊富なことです。それぞれの楽器にフレーズが用意されているので、midiキーボードなどを接続せず、iOS端末だけで曲作りが完結します。
さらに、MacのGaragebandへデータを移行できるので、iOSで曲作りをして、Macで仕上げるといった使い方ができます。iOSのDAWアプリが進歩したとはいえ、iOSアプリでは今のところ、他のアプリを含めて、テンポ変更ができないので、やはり最終仕上げはPCソフトに頼ることも少なくありません。
iPad版スクリーンショット:筆者撮影
Cubasis2-Mobile music creation System(6000円)
DTMのはしりの時期から、DAW分野のリーディングソフトとして有名なCubaseの入門アプリです。Garagebandのように、バーチャル楽器機能は持ちませんが、midiキーボードなどを接続し、本格的に音楽制作をする方に向いています。
PCのCubase(Win、Mac)に上位互換性があるので、Cubasisで前作業をして、Cubaseで仕上げを行うこともできます。有料アプリですが、じゅうぶん元をとれる機能を持っています。この2つのDAW以外にも、Auria Pro、Music Studio、FL Studio、Korg Gadgetといった強力なアプリが存在します。
iPad版スクリーンショット:筆者撮影
楽譜制作ならこれが一番
PreSonus Notion(1800円)
音楽制作をするときに、楽器から入る人と、楽譜から入る人に分かれます。Notionは楽譜を中心にした制作アプリです。楽譜アプリというと、ちょっと前までは、楽譜を綺麗に記譜することが中心でしたが、Notionの登場で、DAW並みに音楽制作に対応できるアプリとして注目されています。
NotionはPC版のNotion6と双方向で高い互換性を持ち、PC版のNotion6は、音抜けが良く、軽いDAWとして注目されているPreSonus社のStudio One3と相互にデータのやり取りができるので、この2つのソフトでほとんどの音楽制作をカバーできます。
iPad版スクリーンショット:筆者撮影
音作りはソフト音源におまかせ
音楽制作に欠かせない音作りに使われるのがソフト音源です。ソフト音源には、実際の楽器をサンプリングしたものと、電子的に音色を合成したシンセサイザーがあります。DAWには基本的な音源が既に入っていますが、足りない部分をソフト音源、シンセサイザーなどで補完します。
iM1 for iPad(Korg Legacy Collection DIGITAL EDITION 3600円)
シンセサイザーアプリは沢山ありますので、ここでは往年のシンセサイザーを取り上げました。1988年にKorg社から発売されたM1はPCM音源で一躍ベストセラーシンセサイザーとなりました。iM1はM1を、ソフト音源としてシミュレートしたアプリです。その音色はいまだに多くのファンを持つ、色あせない音色を再現しています。
iPad版スクリーンショット:筆者撮影
IK Multimedia SampleTank for iPhone/iPad(2400円)
4パートのマルチ音源。900種類以上の音色を16カテゴリーに収録、ループ音源も入っているので、ループ素材での音楽制作が可能、キーボード、ドラムパッドで4トラックのシーケンサーに録音することができます。
Mobile Vocaloid Editor(4800円)
初音ミクで知られる、ボーカロイド音源。1200円~2400円で、ボーカリストを購入できるので、PC版に比べて、リーゾナブルに多くのボーカリストの音色を購入できます。PC版との連携もでき、伴奏のWAVEデータを専用トラックに入れれば、伴奏つきで再生できます。
iPad版スクリーンショット:筆者撮影
DTMの隠し技(エフェクター、ドラムマシン及び各種ツール)
楽曲に色々な味付けをするアプリや、複数のアプリを組み合わせるツールで、これからのDTMの進歩に欠かせないアプリです。
AmpliTube for iOS4.4 - IK Multimedia(2400円)
ギターアンプシミュレーターの定番ソフトのiOS版です。PC版と同様のアルゴリズムを採用して、高品位な音を再現しています。
NATIVE INSTRUMENTS iMaschine 2(1200円)
4X4のドラムパッドを利用してドラムトラックメイキングができます。リアルタイム入力に加えて、ステップ入力も用意されています。
Audiobus3(1200円)
複数のアプリ(ex.DAWにソフト音源を組み合わせる)を連携させて使えるようになります。PCにおけるVSTやAUの機能を果たし、DTMアプリを120%活用するための重要なツールです。
iPad版スクリーンショット:筆者撮影
AudioCopy(無料)
DTMアプリ間でオーディオをコピーするツールです。例えば、伴奏をCubasisなどのDAWで制作し、Mobile Vocaloid Editorに読み込んで楽曲を制作するときなどに利用します。
Final Touch
マスタリングツールです。出来上がった楽曲を最後にリバーブ、イコライザーなどで最終的に仕上げますが、この作業はプロのミキサーが何時間もかけて完成しますが、このアプリはそれを一瞬で終わらせます。アマチュアにとってはとっても助かるツールです。
まとめ
ひと言でDTMといっても、様々なアプリが存在します。DAWアプリで全て完結することもできますが、細かいところにこだわれば、色々なアプリの良いとこどりで完璧な楽曲制作を進めたいというのも人情です。気付いてみれば、沢山のアプリが端末にインストールされています。DTMアプリは、価格的にも結構高く、アプリ内課金も多いので、あとで「しまった!」ということにならないように、じゅうぶん時間をかけてベストなアプリ選びを進めましょう。
*価格は為替によって連動します。
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